新聞、雑誌、テレビ、ラジオといったマスコミ4媒体といわれてきたメディアが崩壊していく……といった議論がある。人々がふだん暮らしていて、社会や経済が回っていて、国や世界の情勢といったものがあるときに、我々の目耳としてのメディアの役割はとても一言では説明できない。しかし、旧来型のメディアが稼げなくなってきている理由は、単純に「ネットのほうが便利だから」ということに尽きるのではないか? そのように考えている私からすると、同じように旧来型メディアといえる「書籍」が、書籍の形のまま電子化するというのは、ちょっと頭がこんがらがりそうになるテーマである(電子雑誌もだが)。 1つは、すでにネットがあって、その上で自由に文字も写真も、映像すらやりとりされているところに、「本」というフォーマットを押しつけられている気がするというのがある。しかし、もう1つまったく逆の気持ちとして、出版というのは人の知恵や情