止まらないウナギロンダリング 漁業者搾取の謎ルールに支えられる「黒いウナギ」に未来はあるか: 「土用の丑の日」に憂う(4/6 ページ) 市場原理が働かないウナギビジネス 売り手と買い手が存在する場合、値段は市場原理によって決められるのが資本主義の大原則だ。ところが稚うなぎはなぜかこれに基づいていない。 高知県の場合、上記の「うなぎ稚魚(しらすうなぎ)特別採捕取扱方針」に加えて「高知県うなぎ稚魚(しらすうなぎ)需給要綱」なるルールが存在し、ここで「うなぎ稚魚の買い入れ価格は、県内養鰻業者の決定によるものとする」と定められている(同要領第10条)。 養鰻業者の側からすると、稚ウナギの価格は安い方がいいに決まっており、必然的に自由に流通した場合の価格より安く設定されてしまう。海部健三中央大学法学部教授が18年12月に実施した調査によると、高知県しらすうなぎ流通センターの許可名義人からの買い取り価