拒絶は、自分自身に嘘をつく最大の方法かもしれません。ときには役立つこともありますが、真実を受け入れることを拒んで順応性に乏しい態度や関係ができてしまっては、害あって益なしです。では、実際、拒絶はどのように作用し、私たちの意思決定にどのような影響を与えているのでしょう。また、この課題の改善策として、どのような方法があるのでしょうか。夫婦・家族セラピーを専門とするメンタルヘルスの臨床医ロジャー・ジル(Roger S. Gil)氏は、次のように述べています。 ■「拒絶」とは何か 拒絶とは、苦痛な真実から身を守るための心理的な防衛機能で、心理学用語の「回避」のひとつと考えられています。どのようなかたちでこの状況に陥るとしても、自分の態度に「拒絶」の存在を認識できれば、物事のとらえ方を普段とは変えるべきタイミングが察知しやくなります。 「拒絶」は本来、健全な機能である 誰しも、ときには拒絶に陥ってし