個人的な話だがこのひと月、とても煩わしく感じていることがある。コーヒーチェーン「スターバックス」の、ショートサイズのドリップコーヒーの値段が税込みで302円になったことだ。 3月末までの値段は300円だった。消費増税に伴う同チェーンの価格改定で、支払い額は2円増えたことになる。問題は支払い額が増えたことにあるのではなく、2円という端数にある。下手に千円札でも出そうものなら、698円もの小銭を受け取ることになる。 ご多分に漏れず、私は財布の中の小銭入れが膨らむことが好きではない。愛用の財布は二つ折りで、あまり大きくなるとズボンの後ろポケットに入れづらくなる。 冬ならば、コートのポケットに入れておけばいい。だが、気温も上がって上着を羽織らないことが増えている。所在がなくなった財布のせいで、片手がふさがったり、わざわざ鞄のチャックを開いたりしなければならないのが億劫でならない。 幸せ小銭計画を破
女性の年齢別の労働参加率のデータ形状にみられる、いわゆる「M字カーブ現象」の緩和に伴い、女性の就業率が上昇していることは、近年、広く認識されているようだ。一方で、そうした「女性の進出が加速中」といった労働市場全体でみた傾向とは、いささか異なる分野が存在する。 製造業に絞って就業者に占める女性比率をみると、過去20年間以上、一貫して低下傾向にある(図1)。実際に、確かに解消しつつある(マクロの)M字カーブに対して、製造業では、女性労働者は、絶対数でみても比率でみても、ともに減少・低下傾向を辿ってきた。このグラフが示す事実は、あまり知られていないのではないだろうか。 製造業において、女性比率が長期間にわたって低下の一途を辿ってきたという事実は、実は、日本の労働市場全体が、過去20年間に経験した大きな変貌の一端を映じたものと言える。以下では、日本の労働市場が、1990年代以降、現在にいたるまで、
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