「ああ終わったわ。うんマジ終わった。」 そよそよよと風が吹く。人生は常にスタートでありゴールであるんだ、そんな言葉をいつもうそぶいている自分とは思えないほど絶望していた。 「明日からどんな顔して学校行けばいいんだよクソッ!浅はかな行動にしても程があるだろ!」 思ったより大きな声が出ていたのだろう、近くに寝ていた猫がビクっと起きて怪訝な顔でこちらを見つめた後、しゅんしゅしゅと逃げて行く。 「ちっくしょ...」 明るい月の下、河川敷。顔を上げると水面には綺麗な月が映っていた。大きい川だが、比較的穏やかな流れで色々な物を抱えている。ビルの灯り、家の灯り、橋の上に並んでいる車。決して触れられない別世界。しばらくその世界を見つめ、自分が世界に居なかったらどれだけ綺麗で完成した世界だったろうと思った。そんな世界が欲しいと思った。そして、目を凝らすと水面に自分の姿が投影されていることに気付き、瞬間黒い感