★(2) ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に厳しく、中国の習近平国家主席に甘い、朝日新聞の論調については、連載第1回で紹介した。だが、同紙はそれにとどまらず、習氏が打ち出す中国的価値観の、世界への普及拡大攻勢についても、極めて好意的態度を示している。 中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が閉幕した翌日(3月21日)、記事の見出しは《習氏、強気2期目 全人代閉幕 長期政権視野に》とあった。それは単なる長期政権ではなく、文字通りの終身独裁政権であり、表現が間違っているのではないか。 この記事の末尾には、「習氏は中国が歩む発展の道への自信を強調し、『積極的に世界の統治システムの変革と建設に加わり、中国の知恵や力で貢献していく』と訴え、過渡期を迎えた世界秩序の再構築をリードしていく姿勢も示した」と述べている。 中国的新秩序については、全人代開幕直後の3月6日、朝日新聞が直接説くのではなく、あ