両国での作戦には4000人もの兵力を投入する力の入れようである。あくまでも人権擁護のための軍事行動と謳ってはいるが、支持率が低下しているニコラ・サルコジ大統領が来年に迫った大統領選に向け、人気回復に躍起になっている姿が見えてくる。 しかし、そんな積極性が必ずしも良い結果をもたらすとは限らない。今年1月、西アフリカの内陸国ニジェールの首都ニアメでフランス人青年2人が誘拐された時は、早速救出に向かった仏軍特殊部隊が犯人グループと銃撃戦となり、人質は死亡してしまっている。 「テロリストには屈しない」と、早急なる出動を命じたサルコジ政権の積極性が裏目に出てしまったのである。 同じニジェールでは、昨年7月にもフランス人救出に失敗している。これらはすべて「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQMI)」による犯行である。 今ではニジェール、マリ、アルジェリアあたりのサハラ砂漠西域最大の治安不安要因