どこもそうだが、研究者の世界でも若手の就職難が深刻で、高学歴ワーキングプアという言葉も定着した。凡庸な中高年の学者がポストを占め続け、若いというだけで優秀であっても生活もおぼつかないという不満が広がっている。 他人に向かって自分の不遇を公言することは、私たちの世代にははしたない。しかし、若い人にはそんな常識は通用しないのも、無理はない。私なども既得権世代なので、偉そうなことは言えない。 しかし、いたずらに世代間対立を煽るだけでは能がない。政府も若年層の雇用対策を考えようとしているが、政策で解決できる部分は限定的であろう。ここは社会運動が必要である。 食い逃げ世代、逃げ切り世代といわれる団塊世代の人々に訴えたい。良い目ばかりを見たと若者に攻撃されるだけでは面白くないだろう。かつて世の中の変革を夢見た世代にとって、今こそ自分たちの力で世の中を覆う閉塞感を打破する時である。退職金の1%、いや0.