「はだしのゲン」の著者である中沢啓治が先月の17日に亡くなった。「はだしのゲン」については説明不要なほど有名な原爆漫画だが、それでもやはりというか、若い世代には読んだ事がないという者も少なくないようだ。歴史に対する無知の最たる例と思う。筆者の子供の頃には「はだしのゲン」が必読書というか当然の嗜みだったものだが。と言っても、その「ゲン」が必読だった時代の子供者達が今や40代以上の世代になって日本右傾化の主翼を担っているのだから、作品の内容的評価は別として、「ゲン」が与えた社会的影響がどれほどのものだったかについては別の評価が必要かもしれない。 それでもかつて「ゲン」が連載された週刊少年ジャンプ編集長だった西村繁男によると、こうした作品を載せる事は雑誌としての良心だったという。創刊から間もない頃のジャンプには中沢啓治の反戦漫画以外にもみやわき心太郎のゲバラの漫画が載っていたりしたし、こうした