X-JAPANの示しているセンスとは奇妙なもののように見える。この奇妙さが表現し訴えているものとは何なのだろうか。時々その見掛の姿は不思議さを催すかもしれない。しかしよく分析的に見てみれば、日本人の歴史にとって、センスにとって、あの演出あの化粧とは別に不思議なものではないことに気づくはずだ。あのセンスとは、日本人にとってとても見慣れたものなのだ。だからこそエックスの支持とは、日本でとても根強い。 X-JAPANのメジャーシーンにおける最初のアルバム、89年に出た『BLUE BLOOD』は確かに傑作アルバムに仕上がっている。日本のロックとして何か独特の歴史的結晶が、ハードロックのうちに形式美として根ざしたことが、あの独特の見栄えを生んだのだろう。ロックがあの形に綜合化していることは、一方では何かのあの世界への近寄り難さを生じさせているのだろうし、もう一方では強烈なる熱狂的な求心力を生んでいる