西宮北高の校門前の坂道。劇場版「涼宮ハルヒの消失」の世界改変シーンと重なる=いずれも兵庫県西宮市、滝沢美穂子撮影 ■ハルキとハルヒ 阪神間文学の風2 「アイスエスプレッソをください」。珈琲(コーヒー)屋ドリームでは、これと、裏メニューのメロンクリームソーダを頼む客が目立つ。 兵庫県西宮市の阪急西宮北口駅から北へ数分。ライトノベルの人気作、涼宮ハルヒシリーズのファンには知られた店だ。ハルヒが結成した「SOS団」の面々がことあるごとに集まるたまり場。そのモデルになった「聖地」である。 米国や中国のファンもやって来て、作中、ハルヒらが店で頼むメニューを味わっていく。自家焙煎(ばいせん)の本格コーヒーが自慢。阪神間を拠点に活躍した前衛美術家グループ「具体」の作品を掲げるギャラリー喫茶でもある。地元出身の作者、谷川流(ながる)は常連だった。 大のハルヒファンで店に2年通うイラストレーター茶請(ちゃう