安倍首相が辞任を表明した。外交・防衛の分野では、安保法制で集団的自衛権を認めて日米同盟を正常化したことが最大の業績だと思うが、経済政策ではこれといった成果がない。アベノミクスの結果はみじめなものだ。 この図はIMFの集計したG7諸国の一人当たりGDPだが、日本はビリから2番目という不名誉な状態から脱却できなかった。「やってる感」とは裏腹に、アベノミクスがもたらしたのは長期停滞の延長だったのだ。 もちろん民主党政権よりはましだし、株価は上がったが、これも日銀がETFを買う異常な政策で演出された資産バブルで、これからの出口戦略が大変だ。世界的に金利上昇への警戒感が強まる中、政権の後ろ盾を失った日銀がバブルを支えきれるのだろうか。 憲法改正の手段だった景気刺激が自己目的化した 結果が出せなかった原因は、はっきりしている。アベノミクスは金融政策に依存し、「デフレ脱却すれば景気もよくなる」と想定して