今日は何の日?――人類学者・長谷部 言人生まれる 人類学者・解剖学者の長谷部 言人(はせべ・ことんど、1882-1969)をご存知でしょうか? 1931年、兵庫県明石市の西八木海岸で発見された腰骨と思われる骨のかけらを縄文時代以前に日本列島に存在した「原人」のものだとされました。これが有名な「明石原人」で、この結論を下したのが長谷部でした。 その後の研究で「明石原人」の化石の石膏模型は縄文時代以降の新人のものであるという解析がなされましたが、当時は「日本最古の人類」として大きな話題を呼びました。 長谷部は、日本の人々を身体と文化の両面から考察し、「日本列島に渡来した第一の移住者の子孫が、時間的に変化して現在の日本人となった」という、数ある日本人ルーツを探る日本列島人の成立に関する【変形説】の潮流を生みました。今回は、この【変形説】をじめとした、3つの代表的な日本列島人の成立と現在の見解につ