非武装の平和主義を掲げ、海外派遣部隊にも武器使用を厳しく制限してきた戦争嫌いのドイツが、アフガン駐留で直面した戦闘の現実 第二次大戦後にドイツがヨーロッパの外で本格的な軍事行動に関わったのは、今回が初めてだ。現在ドイツ軍部隊4200人が、情勢が悪化する一方のアフガニスタンに派遣されている。だが総選挙を9月27日に控え、与野党ともこの問題に一切、触れようとしてこなかった。 対アフガニスタン戦略を論じたり、外交政策の一環として派兵の意義を語るなど問題外。アンゲラ・メルケル首相をはじめ有力政治家は「戦争」という言葉を口にすることさえ慎重に避けてきた。 メルケル率いるキリスト教民主同盟(CDU)と大連立を組んできた社会民主党(SPD)のフランクワルター・シュタインマイヤー外相も、出口戦略の必要性については言葉を濁している。国防省は情報を出し惜しみし、ドイツ兵が人畜無害な平和維持活動に参加しているか