コンピュータ業界で「次のプログラミングパラダイムを提起するもの」と注目を集めている言語 「HOCaml(ホッカムル)」 を取り上げた、国内でもはじめての一冊である。HOCamlについてはインターネット上でも日本語の資料はまったくなく、貴重な資料をものした著者にまずは敬意を表したい。 HOCamlとは、オブジェクト指向をさらに推し進めた「剽窃指向言語」の一種である。たとえば従来のスクリプト言語でも、CPANやgemなどで他人が公開したモジュールをぶっこ抜いてきて、 「やったー。できたー。 オレって天才~」 などと早とちりすることはできた。しかし、ぶっこ抜けるのはあくまでモジュールだけであって、呼び出す本体のコーディング作業は無能なプログラマ本人がしなければならないという点が課題として残されていた。IT業界独特の生産性の低さは、ここから来ているとの指摘もある。 剽窃指向言語のHOCamlは、新