珍しく実家の母(僕の実母)がやってきたときのことです。 リビング・洗面所、その他全てのスペースを我が物顔で歩き回る猫たちを見て、ぎょっとしていました。そして母が座ろうとしていたソファに「俺が先だぜ」と言わんばかりにすすっとやってきて、どんと眠りだしたアメショーを見てもっと驚いたようでした。 ツーシーターのソファでしたので、仕方なくその隣に距離をとって座った母は、帰り際にガムテープがないか、と訊いてきました。そうです。服についた猫の毛をガムテープで丹念に取り払い、それでやっと安心したかのように、帰路についたのです。 基本的に『動物と人間の生活スペースはきっちり分けたいタイプ』の彼女にとって、家猫と暮らす我が家の(というよりは現代の)スタイルは見慣れぬものだったのでしょう。僕はそんな家庭に育ったのでよくわかります。 これが良い悪いではなく、『昔はそうだった』のも理解していますし、僕が独立して以