1.はじめに 2.調査の概要 3.自己意識に関する諸項目の連関と男女差 4.自己意識と親・友人との関係 5.まとめに代えて 註 / 文献 / Abstract 抄 録 本稿では、2002年3月に首都圏30km内在住の16~17歳を対象におこなったアンケート調査のデータをもとに、アイデンティティ(自己)意識と親子・友人関係との関連について分析する。結果としては、自己像が明確につかめないアイデンティティ不定型が50%、複数の自己像をもつ多元型が36%、単一の自己像をもつ一元型が14%であること、女性に不定型が多く一元型が少ないこと、不確定型の者は対人関係の満足度や被理解感、信頼感などが低く、家族(親)を疎隔するようなコミュニケーション・ツールとして携帯電話を用いていること、多元型の者は一元型と同程度に安定的な対人関係(特に親子関係)を保っているが、電子的なコミュニケーションへの親和性は一元型よ