【ニューヨーク=黒沢潤】中国の王毅外相は27日、国連総会の一般討論演説で、「来年は反ファシズム戦争と中国人民の抗日戦争勝利から70年目にあたる」と述べた上で、「歴史は作り替えられないし、真実も歪曲(わいきょく)できない」と強調、名指しを避けながらも安倍晋三政権を批判した。 王外相は冒頭、第2次世界大戦に言及し、「日本の軍国主義者による侵略で、中国の軍人や民間人に3500万人以上の死傷者が出た」と指摘。「歴史の事実」はすでに明らかになっているとし、「何が善で何が悪か」の審判も出ていると言明した。 その上で、国際社会に対し、「正義や良心を一緒に擁護しよう。そうすれば、侵略を否定し歴史を歪(ゆが)めようとする者は隠れることができないし、何かを成し遂げることも不可能となる」と述べた。 王外相は一方、沖縄県・尖閣諸島の領有権問題を念頭に、「主権と領土の保全は順守しなければならない」と訴えた。 シリア