仮想通貨取引所大手コインチェックからの巨額資金流出問題は、仮想通貨の発行を目指すメガバンクにとってもマイナスイメージにつながりかねない。投機対象として注目を集める仮想通貨だが、メガバンクは決済などでの活用を目指しており、担当者は「銀行の構想とは別物だ」と火消しに走る。それでも、今回の騒動が普及の遅れにつながる懸念も出始めている。 仮想通貨のメリットについて大和総研の矢作大祐研究員は「決済や送金の手数料が大幅に安くなることだ」と語る。現在、銀行を使って海外に10万円を送金する場合、3千〜6千円の手数料が発生する。決済システムに莫大(ばくだい)な費用がかかるためだが、複数のコンピューターが取引の記録を同時に管理する「ブロックチェーン」という技術を活用する仮想通貨は巨大なサーバーを持つ必要がなく、手数料を安くできるという。 ただ、現状で取引されている仮想通貨の多くは価格の変動が激しく、投機対象と