中部大(愛知県春日井市)は2日、超伝導物質を使って電気抵抗を抑えたケーブルで、直流電流を200メートル送電する実験に、世界で初めて成功したと発表した。 現在の電力設備の送電は交流電流で行われているため、大量の電力を効率よく遠方に送る「超伝導送電」の研究も交流で進められているが、同大では直流の方が、送電過程で失われる電力を大幅に減らせることに着目。実験の成功で、超伝導送電の実用化に一層弾みがついたとしている。 超伝導は、極低温で電気抵抗がゼロになる現象。同大では昨年7月に「超伝導・持続可能エネルギー研究センター」を設立して実験を進め、冷却用の液体窒素をケーブル内に循環させ、超伝導状態で700アンペアの送電に成功したという。交流では電圧が常に変化するため電力ロスが大きく、超伝導送電でも275キロ・ボルトで1キロ・メートル送電する場合、ロスは200キロ・ワットに上るが、直流なら10分の1程度に抑