【連載】くにたち本まわり② 山口瞳『行きつけの店』(新潮文庫) ・前編 十松弘樹 国立の本と町を巡る雑談。 山口瞳先生(1926~1995)の話を続けさせていただこう。 山口氏は「行きつけの店」と粋な付き合いをすることでも知られていた。 決して威張らず、かといって馴れ合わず、 絶妙の距離感と礼節を持ってお店と付き合う人だったという。 『行きつけの店』(TBSブリタニカ) その集大成とも言えるのが『行きつけの店』。 亡くなる2年前に出版された。 旅好きでもあった山口氏らしく 日本中の行きつけの店が紹介されている。 国立からも、前回紹介した 『居酒屋兆治』のモデルである今は無い「文蔵」と 国立きっての老舗喫茶店として健在の 「ロージナ茶房」が紹介されている。 併せて「繁寿司」「まっちゃん」「うなちゃん」なども。 国立きっての老舗喫茶店「ロージナ茶房」。 山口氏の水彩画「ボラボラ島」を展示して