情報に触れる場合の鉄則として心得なければならない事について、フレデリック・フォーサイスは自伝『アウトサイダー・陰謀の中の人生』でこう記している。 「外務省の言うことを鵜吞みにするな。現地に長年住んでいる人に話を聞きに行け」 これは、彼がナイジェリアの内戦から得た教訓である。そもそも歴史的に見て二つの国であるところを、一つの国として国境線を引いたところに問題があるという事なのだが、ウクライナもまたこれに似た状況であると言える。似た状況であると言えるのであるが、「内戦」と言ってしまうとロシアの言い分を肯定することになってしまうという問題があり、歴史学者アレクサンドラ・グージョンは著書『ウクライナ現代史・独立後30年とロシア侵攻』の中で「代理戦争」という言葉を用いている。 この本のタイトルは『プーチンの野望』であるが、本の内容を読んでもらうとこのタイトルがいかにも購買を意識した的外れなものである