●RYOZAN PARK巣鴨で樫村晴香ソロトーク(二回目)。 今回のトークは特にすごかった。もはや再現不可能だし、要約不可能。 樫村さんのテキストにおける精密な論理構築と硬質な密度とはまた異なる感じで、融通無碍で変幻自在に話題が動いていく。きわめて軽薄な話題が、いきなり深淵へと接続され、引いてしまうほど下世話な話が、詩的な喚起力へと変容しでいき、身辺雑記的エピソードが、そのまま神話的な強度をもつ。充実と停滞の区別がつかず、俗っぽさも気高さも、清も濁も、深さも浅さも、具体性も抽象性も、すべてが混じり合い、あちらから入ったかと思えばこちらへ出てきて、それがまた別の回路へとつながっていく。そして、根底に漂う濃厚な「性」と「悪」の気配。たんなる雑談といえなくもないが、こんなにも複雑に絡み合い、密度があり、強度があり、深度があり、そして毒気の強い雑談を、今まで聞いたことがない。 (以下、トークからぼ