師走の恒例行事、忘年会をめぐり、「行かない」「行きたくない」人たちの「忘年会スルー」という声にネット上で共感が集まっている。企業において、前近代的な「飲みにケーション」や厳密なタテ関係に基づく上意下達的なコミュニケーション手法がほころび始めていることを象徴する流れと言えるだろう。その根底に透けて見えるのは、社員同士のリアルのコミュニケーションの希薄化や深刻な「職場の孤独」問題だ。 まったく飲めない下戸ではあるが、フリーで仕事をする筆者にとって、忘年会は、お世話になっている人たちや友達と集い、親交を深める貴重なコミュニケーション機会となっている。実際、今回のネット上での盛り上がりも忘年会そのものへのバッシングというよりも、会社の忘年会に半ば強制的に、参加させられるのは納得がいかないと考える人が増えているということのようだ。