科学は,科学者の自由な発想と着実な努力の上に成り立つ。このため科学者には学問の自由が与えられ,自らの専門的な判断に従って真理を探求することが許されている。 このような,社会から寄せられた信頼は,科学研究が人類の共有する知的資産を生み出してきたことに由来しており,先達の努力の賜物である。一方で,これらの社会的認知は科学者が自ら,社会からの期待を理解し,その負託に応えるだけの気概と倫理的責任感を持つことによってはじめて持続されるものである。特に,国立大学法人は研究組織であるとともに,国から大きな支援を得て,次代の科学者を育てる教育機関であることに鑑みると,本学に属する科学者の倫理的責任は重い。 本学の科学者は,その分野を問わず,このような社会からの認知に応えるべく努力を続けているが,同時に,科学の健全な発展のために,日本学術会議に代表される全国の科学者の声明に呼応して,このたび自律的な行動