これで、良かったのだ。 くしくも4年前の11月に、日本はベルギーに3-2で勝利した。敵地ブリュッセルでつかんだ勝利によって、アルベルト・ザッケローニ監督と選手たちが自信をつかんだだけでなく、ブラジルW杯へ向けた期待の高まりへとつながっていった。 それが間違っていた、とは言わない。しかし、7カ月後のブラジルW杯で日本はグループステージ敗退に終わり、ベルギーはベスト8進出を果たすことになる。 テストマッチとはつまり、そういうものだ。肉でも魚でもない、メインディッシュというわけでなく、冷めきったピザのように味気ないものでもないが、人々の記憶に長く残るものではない。残す必要がないものである。 観衆の反応は分かりやすい。極東からやってきたFIFAランキング44位のチームを相手に前半を0-0で終えれば、ブーイングに包まれてもおかしくない。ところが、ハーフタイムを告げるホイッスルが鳴り響いても、2017