様相論理(ようそうろんり、英: modal logic)は、いわゆる古典論理の対象でない、様相(modal)と呼ばれる「〜は必然的に真」や「〜は可能である」といった必然性や可能性などを扱う論理である(様相論理は、部分の真理値からは全体の真理値が決定されない内包論理の一種と見ることができる)。 その歴史は古くアリストテレスまで遡ることができる[1]:138が、形式的な扱いは数理論理学以降、非古典論理としてである。 様相論理では一般に、標準的な論理体系に「~は必然的である」ことを意味する必然性演算子と、「~は可能である」ことを意味する可能性演算子のふたつの演算子が追加される。 様相論理は真理論的(形而上学的、論理的)様相の文脈で語られることが最も多い。この様相においては「~は必然的である」、「~は可能である」といった言明が扱われるが、これは認識論的様相と混同されやすい。 例えば「雪男は存在して
三浦俊彦「(知の先端の18人)ソール・クリプキ」 『大航海』1999年6月号 pp.132-137. *ソール・クリプキ(Saul A. Kripke, 1940〜 ) クリプキの代表作(邦訳) ・『名指しと必然性』(八木沢敬・野家啓一共訳: 産業図書、1985年) ・『ウィトゲンシュタインのパラドクス』(黒崎宏訳: 産業図書、1983年) ・「話し手の指示と意味論的指示」(『現代思想』1995年4月号所収) 様相論理学と可能世界 二十世紀の全哲学者について、その思想内容の深遠さを分子に、思想表現の難解さを分母にとったいわば「思想的価値係数」を算出したならば、ソール・クリプキはまず間違いなく、第一位かその近辺にくるのではなかろうか。少なくとも英語圏に限ってみると、クリプキの論説のわかりやすさは群を抜いている。文章が流麗なだけでなく、論証過程も定理の証明さながら整然とし、いかな
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