■荒廃一変させたご飯給食 「夕日とトンボと働く人」と題されたこの水彩画は、全国8千余点の応募から第1位に選ばれた作品だ。長野県上田市真田町の本原小学校6年生、三浦由美子さん(現在、市立真田中2年生)が描いた自宅の窓から見た田園風景である。 夕日に照らされる中、無数の赤トンボが乱舞する。大人たちが田んぼを手入れする。傍らの農道を子供たちが駆け抜ける。 「なつかしいふるさとや家族の良さを感じさせてくれる、ほのぼのとした絵である」。 1昨年、「ふるさとの田んぼと水 子ども絵画展」(主催・全国土地改良事業団体連合会)で、農林水産大臣賞に輝いた三浦さんの作品への審査講評だ。 この作品を目にした上田市教育委員長、大塚貢氏(72)は感慨深げにこう語った。 「その農道は、かつて非行少年が連夜、改造した盗難バイクを乗り回していた。真田中学を卒業したばかりの2人が無免許運転で事故死したこともあった。それが、わ