最終報告書提出後、会見する調査委員会の深尾立委員長(中央)と専門委員会の野村芳雄委員長(左)、市立宇和島病院の市川幹郎院長=29日午後0時20分ごろ、同病院 宇和島徳洲会病院の万波誠医師(66)らによる四十二件の病気腎移植のうち二十五件が行われた市立宇和島病院。院内調査委員会(委員長・深尾立千葉労災病院長)が二十九日、五カ月余りの調査を終え、最終報告書を提出した。その内容は、医学的適否にとどまらず、手続きや倫理面での不備を詳述。多くのカルテを破棄していた病院、さらには同病院泌尿器科のトップだった万波医師の責任を厳しく問うものだった。 調査委は病気腎移植は摘出・移植ともに研究的側面が極めて強いと判断。万波医師による同移植開始時期は一九九三年で、臨床研究に関する国の指針策定(二〇〇三年)に先立つとされることから、国際的な研究的治療の倫理指針として七九年から認知されている米国の「ベルモント・レポ