寝起きのおしりに青いセロハンをぺたっ−。多くの人が経験のある「ぎょう虫検査」が来年度からなくなるかもしれない。「陽性率が1%以下で全員を調べる必要はない」として学校保健安全法の施行規則が改正され、必須項目から削除されるためだ。ただ、文部科学省は地域の実情に応じて継続するか判断するよう促しており、陽性率が全国平均より高めの九州の自治体は頭を悩ませている。 ぎょう虫は2〜13ミリ程度の細い虫。感染すると就寝中に肛門の周りに産卵し、かゆみを引き起こして集中力の低下や寝不足、炎症につながるとされる。家庭内感染が多いため、家族全員が薬を飲んで駆除する必要がある。 文科省によると、ぎょう虫検査は同法の前身、学校保健法が1958年に制定されたのと同時に、小学3年以下で義務化された。かつては「国民病」とされ、終戦間もない49年度は小学生の陽性率が63・9%だった。その後、衛生環境の改善に伴って低下し、