年間約300人が4年間—。異常とも言える感染拡大が、大阪で起きていた。原因は、性の乱れか、はたまたあのハリウッドスターか?「関係ない」では済まされない、感染の現実をレポートする。 突然起きた「アウトブレイク」 日本エイズ学会での最新発表を受け、いま、大阪が揺れている。 日本エイズ学会とは、HIV感染およびエイズの発症について研究を行っている、国内最大の学術団体。'87年に第1回の学術集会が開かれて以来、毎年、日本全国のエイズ研究の権威が集まり、革新的な研究結果を公表・議論している。 その伝統ある日本エイズ学会が11月30日に東京で行った第29回の学術集会。そこで、こう発表されたのだ。 大阪府でHIV(エイズウイルス)感染者が激増—。 この衝撃的な研究結果をまとめた、慶応大学医学部専任講師の加藤真吾氏が語る。 「厚生労働省のエイズ動向委員会の調査によると、国内のエイズウイルス感染者と、感染し