笹川平和財団主任研究員 畔蒜泰助さん 現在、戦況は基本的にこう着状態となっていますが、最大の理由の1つがロシアの“核の脅し”が効いていることです。プーチン大統領は、侵攻開始直後から核に関する発言で西側をけん制してきました。過度のエスカレーションを警戒するアメリカ、西側の軍事支援が後手後手に回っています。 今振り返ると、特に大きかったのは2022年秋以降にロシアがウクライナ南部に築いた強固な防衛線です。ウクライナ側は、防衛線が引かれる前に南部を奪還したかったのですが、当時は十分な装備を供与されていませんでした。結果的に、戦車などの供与が決まったのは防衛線が築かれた後でした。 西側の軍事支援が常に周回遅れになる最大の理由は、エスカレーションの回避です。プーチン大統領の「核の脅し」が効いてしまっていると言えます。 別府正一郎キャスター 軍事侵攻が1日でも長くなれば、それだけ民間人の犠牲やインフラ