数日前のエントリで、東大寺の松の防除にEMが使用されていることについて、またその危険性について書きました。その中ではEMは防除に効果がないという前提に立って話をしています。 その理由は以下の通り。 1 病原体マツノザイセンチュウは外来種であり、アカマツやクロマツは遺伝的に対抗する術を持っていない マツノザイセンチュウは北米原産で、1904年に日本に初めて侵入した外来種です。北米ではテーダマツ、スラッシュマツなどが抵抗性を持つ種として知られていますが、これらは長い年月を経てマツノザイセンチュウと共存できるような進化をし、抵抗性を獲得したと考えられます。一方、アカマツやクロマツはそのような進化をする間がありませんし、日本の至る所で壊滅的な打撃を受けている、典型的な感受性の樹種です。すなわち、病原に対して対抗する術を持っていないのです。 2 樹体が弱ると発病しやすくなるという側面はあるが、樹体を