役割を終え、海沿いの陸地に屋外展示されている大型捕鯨船「第1京丸」=和歌山県太地町で2018年5月5日、堀文彦撮影 「今ごろ『自民党と政府一体』なんて、党をなめている。もっと緊張感を持って会議に出てこいよ」 10月5日に自民党本部であった捕鯨関連の党会合で、二階俊博幹事長が外務省幹部に怒声を浴びせた。IWC脱退を迫る二階氏らに、幹部が「党と一体となって対応すべき時期だ。検討を深める」とはぐらかしたためで、二階氏は「この場を逃れるために、いいかげんなことを言っている」とたたみかけた。 9月のIWC総会での日本の組織改革案否決への不満は共有されている。だが、反捕鯨国の中核である一方、日本が「準同盟国」と位置づける豪州や英国などとの関係悪化を外務省は懸念。これに対し自民党の捕鯨推進派は「IWCは持続的な捕鯨の観点を捨て、保護だけに走った。改革の望みはない」と突き上げた。 推進派には有力議員が多い