宮台真司『まぼろしの郊外』に確か、「成熟社会の差別論」という、差別をテーマにした文章が収められていた(ちなみに僕は宮台さんの真面目な読者とは到底言えなくて、『権力の予期理論』とこの『まぼろしの郊外』以外はちゃんと最後まで読んだと胸を張って言えるものは無いです)。とても面白かったので紹介したいんだけど、本が手許に今無いので、記憶を頼りに再構成してみる(もし持っている方で、僕の要約に異論があるという方は、ぜひご指摘頂戴したく)。 社会学的に言えば「差別」というのは、「わいせつ」と類似の概念で社会的文脈の関数なのだという。例えば「わいせつ」とは、「非性的であるべき文脈」で性的(行為を含む)露出がなされる時に喚起される否定的感情であって、性的行為そのものがすなわち「わいせつ」なのではない。 同様に「差別」の場合でも、単に「AとBは異なる」というようにカテゴライズする、差異を認識する行為=区別が、す