ロシアによる軍事侵攻が、新たな惨事を招いた。 ウクライナ南部のロシア占領地域にあるカホフカ水力発電所のダムが破壊され、ドニエプル川下流域で洪水が広がった。 ウクライナ、ロシア両政府とも、「民間人を危険にさらす破壊行為だ」と相手を非難している。 ウクライナ軍による反転攻勢の開始が伝えられる中で起きた。洪水が広がったことで、攻勢は困難になったとの見方も出ている。 下流のウクライナ側では1万6000人以上が被災したという。ロシア占領地域でも住宅浸水や停電が起きた。多数の犠牲者が出る可能性も指摘されている。 農業用水としても使われており、食糧生産に打撃となる可能性が高い。埋設された地雷が流れ出す懸念もある。 欧州最大規模のザポロジエ原発の冷却にも、ダムの水が使われている。決壊による影響は確認されていないが、この原発では昨年11月にも攻撃が相次いだ。原発の安全確保が急務だ。 両国は、国連の調査や国際