オーディトリウム渋谷は8月16日、フィンランド映画「365 日のシンプル・ライフ」を全国に先駆けて公開する。同作品は世界各地で公開され、若者のあいだに「消費文化から距離を置き、本当に必要な物だけで生活する」価値観を提示してきた。今回は日本での公開にあたり、監督・脚本・主演を務めるペトリ・ルーッカイネン氏に、同作品を撮るきっかけや、日本の消費文化の印象などを聞いた。(オルタナS特派員=山中 康司) ■幸せじゃないのは、物に囲まれているからだと気付いた −−この映画は、監督自身が「自分の持ちモノ全てを倉庫に預け、1日1個だけ持ってくることができ、その間は物を買わない」というルールで過ごした1年間を記録したものです。作品の冒頭、自分の持ち物を全て倉庫に預けた監督が、全裸で雪のヘルシンキを駆け抜けるシーンは印象的でした。このような実験的な設定で映画を撮ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。