長崎市は8月、平和祈念式典にパレスチナ自治区ガザ地区を攻撃するイスラエルを招待せず、欧米6カ国などの大使が欠席した。市はウクライナに侵攻するロシアなども招待しておらず、6カ国は「イスラエルをロシアらと同列視したこと」に抗議した。ただ、イスラエルも、ロシアと同様に国際法違反の疑いが指摘されている。そもそも、両国の違いはどこにあるのか。国際法を専門とする萬歳寛之・早稲田大学法学学術院教授に聞いた。【聞き手・国本愛】 <主な内容> ・各国の二重基準 ・イスラエル支持の理由 ・日本が取るべき道は 国際法の「つまみ食い」 ――国際法上、イスラエルとロシアの武力行使はどう考えるべきですか。 ◆国際法とは国家間の約束事です。その一つである国連憲章は、全加盟国に武力の行使を禁じています。ただし、例外として、武力攻撃を受けた場合、自国を守るために反撃する「自衛権」を認めています。ただ、紛争においては、攻撃を