司会、山中(以下Y) この企画でよくお聞きするのが「小さい事業でも、ゼロの段階からひととおりすべてを体験することが、経営者としてやっていくうえで大きな財産になった」というお話です。田代さんの場合は、シンガポール赴任あたりがきっかけですか。 田代 大きなきっかけですね。伊勢丹の場合、自己申告制度がありまして、僕は入社したときから海外転勤希望をずっと出していたんです。そしたら突然、シンガポールに飛ばされたんです。ものすごく勉強になりましたね。 Y 最初の買い付けから、店づくりから、みんなおやりになった。 田代 人がいなかったので、120人の人材採用からやりました。あと、(言葉が)シングリッシュと言いまして、イングリッシュじゃないんですよ。ひどい英語で、最初はツリーと言うから、ツリーは木だろう、どこかに生えているのかと思ったら、3のことを一生懸命に言っていたり。ヤラーと言うから、どういう英語かな