一定の年数をプレーすれば自由に移籍できるフリーエージェント(FA)制度がプロ野球に導入されて20年が経過した。先に実施している大リーグでは1つのチームで引退までプレーする選手が少なくなるほど、移籍が活発化している。終身雇用が崩れたとはいえ、日本では「生え抜き」を重要視して応援するプロ野球ファンは少なくない。FA制度導入20年で国内各球団の「生え抜き率」がどう変わったのか検証してみた。 FA制度を初めて利用した選手は1993年のオフ、阪神からダイエー(現ソフトバンク)に移籍した松永浩美だった。実施前の93年シーズン、70人以内に規定されている支配下登録選手(外国人を除く)に占める各球団の生え抜き率をみると、近鉄の95・3%をトップに最も低い中日でも79・4%とおおむね8割以上を占めている。 20年後の2013年の支配下登録選手(同)を比べると、生え抜き率が最も高いのは中日の90・2%、最低が