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歴史と書評に関するRanTairyuのブックマーク (10)

  • 日本軍の悪習 初年兵に対する私役やビンタ - Transnational History

    言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家 (中公新書) 佐藤 卓己 中央公論新社 2004-08 売り上げランキング : 59793 Amazonで詳しく見る by G-Tools「言論統制」を読了。書では戦後、言論弾圧の代名詞のように語り継がれてきた鈴木庫三(すずき くらぞう)少佐について、言論弾圧したのは事実だけど実際は言われているような悪いヤツじゃないんだよ、ということが当時の日記を追いながら書かれています。この人のヤバイ思想に無批判なところに物足りなさを感じましたが、鈴木庫三が1918(大正7)年に*1輜重兵第一大隊の候補生として軍隊内での露骨な階級格差や古参兵、上等兵の初年兵に対する横暴、私的制裁、暴力について「人道上よろし宜(よろ)しからざるべし」「古参者より受けたる不正当にして蛮的なる圧制」「遺伝的軍隊の*2陋習」と批判しているところが興味深かったです。第一次大戦後の平時

    日本軍の悪習 初年兵に対する私役やビンタ - Transnational History
    RanTairyu
    RanTairyu 2008/05/31
    「*3:「ラバウル戦記」にはラバウルにいたころ初年兵同士で「敵よりもこの古兵にやられてしまう」と話し合っ」
  • ボスニア内戦 - 映画評論家緊張日記

    朝日新聞の書評を見て購入した佐原徹哉『ボスニア内戦』(有志舎)を読む。ボスニア内戦の原因とその経緯について、すばらしくよく調べられ、簡潔にまとめられた好著。著者、ぼくと同い年なんだなあ。これを読んでしみじみ思ったのは、人間はいかに愚かなのかということである。人間は愚かで進歩を知らない生き物だ。こんな一節がある。 ジラスが村に入ると、頭を後ろから撃ち抜かれた二人の農夫の遺体が大きな梨の木の下に横たわっていた。そこでは他に六人が殺され遺体は運び去られていたが、幾つもの黒ずんだ血跡が草の上に残っていた。さらに進むと、道の真ん中に二〇人程の遺体が山になっていた。成人男性の遺体は二つしかなく残りは女性と子供たちだった。近くにはまだ温もりが残る揺りかごが転がっており、頭部を砕かれた嬰児の死体が傍らにあった。赤ん坊の左側には胸部を叩き潰され腹部がぷっくりと膨らんだ女の子の遺体があった…… これはスレブレ

    ボスニア内戦 - 映画評論家緊張日記
  • asahi.com:大量虐殺の社会史 [編著]松村高夫ら/自動車爆弾の歴史 [著]マイク・デイヴィス - 書評 - BOOK

    大量虐殺の社会史 [編著]松村高夫ら/自動車爆弾の歴史 [著]マイク・デイヴィス [掲載]2008年02月24日 [評者]酒井啓子(東京外国語大学教授・中東現代政治) ■虐殺の隠蔽や相対化に対抗するには 世界のあちこちで、虐殺や大量殺戮(さつりく)が起こっている。その国の政府の弾圧だったり、戦争によったり。圧倒的な国家の犯罪を前に、看過してはいけない、事実を暴かなければならない、と考える。それは切実な思いだ。 歴史家が虐殺の事実を明らかにしようとするとき、二つの障害がある。加害者の国家による史実の隠蔽(いんぺい)と、記憶を重視し実証に懐疑的な歴史学による虐殺の相対化である――。 こう主張する『大量虐殺の社会史』が編まれた動機は、明確だ。近年のポストモダン的歴史学は、歴史的事実を究明不可能とする不可知論に陥ってしまい、国家による虐殺という史実を隠蔽するのに加担しているのではないか。改めて史実

  • ララビアータ:東京裁判

    日暮吉延氏の近著『東京裁判』(講談社現代新書)に対する書評を書いた。興味のある方は今週の『週刊文春』を御覧いただきたい。限られた字数(12×65)で残念ながら十分に論じられなかった点について、少し書き加えておきたい。 書評でも書いたことだが、日暮氏は、とかく激しい政治的争点になりがちな東京裁判という問題を論じるにあたって、不毛なイデオロギー対立を避けて、事実に即した冷静な記述を目指している。 「文明の裁き」と「勝者の裁き」という一見矛盾した二つの論理をつなぐ鍵は何か?…著者はその結節点は「安全保障」であり、東京裁判は連合国と日の双方にとって「国際政治における安全保障政策」だったと論じてきた。(p-39)  第一次大戦の戦後処理は、ドイツの体制に対する介入は避けた一方、懲罰的で復讐的な賠償金が課せられ、ヨーロッパの秩序構想の中にうまくドイツを取り込むことが出来なかった。ドイツを含む世

  • 「昭和の参謀」瀬島龍三 - 小泉首相の本性

    文春文庫「瀬島龍三 参謀の昭和史」保坂正康著 1991年2月、㈱文藝春秋より出版。 たまたま屋で発見して、購入した。 読んで、ぐいぐい惹きつけられた。 読み終わって、感動した。 書の主役「瀬島龍三」に…ではない。 書の著者「保坂正康」に…である。 私が作家・保坂正康氏の名を知ったのは、昨年、講談社出版の「昭和史七つの謎」と題するを買い求めた時であった。 なぜ日は、「負け戦」とわかっていた太平洋戦争に突入してしまったのか? そしてなぜ日人は未だに、「戦争責任」について語ることを忌避し続けるのか? 私はその疑問に、既に自分なりの仮説を持っている。 その仮説を検証する目的で、太平洋戦争前後について書かれたをいろいろ探し求めていた。 そして保坂氏が、「太平洋戦争」を冷静に客観的に分析される「日に数少ない」人物のお一人であることを認識した。 一方、瀬島氏についても、私は伝説めいた「瀬

    「昭和の参謀」瀬島龍三 - 小泉首相の本性
  • 中島岳志『パール判事』

    中島岳志『パール判事』 まったく偶然であるが、新聞などの予告をみると、日(07年8月14日)放映されるNHKスペシャル「パール判事は何を問いかけたのか〜東京裁判 知られざる攻防〜」(午後10時・総合)は、中島の書『パール判事』の主張をほぼ番組化したものになりそうである(付記:今見た。すばらしい内容。この中島の中身の反映もさることながら、東京裁判が結論の決まった単なる茶番劇ではなく、判事同士の激しい確執のある、きわめて動的なプロセスであったことが浮き彫りになった番組だった。そして東京裁判の「成果」が平和憲法や国際司法の発展に寄与していることもわかるものになっている)。 ぼくは今、東京裁判について書かれたものをいくつか読んでいるが、東京裁判そのものが膨大な資料があるために、とても「そのもの」を読むところまでいかない。たとえば冨士信夫『私の見た東京裁判』(講談社学術文庫)にしても、裁判の全

  • 梶ピエールの備忘録。 - 優等生だったはずなのに・・

    満州事変から日中戦争へ―シリーズ日近現代史〈5〉 (岩波新書) 作者: 加藤陽子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/06/20メディア: 新書購入: 3人 クリック: 66回この商品を含むブログ (49件) を見る 岩波新書は新赤版になってから重量級の作品が増えたような気がするが、この1冊も新書とはとても思えない内容のヘビーさ。というか新書で紙幅が限られているので余分な説明がそぎ落とされているせいか、僕なんかは3回最初から読み直してようやくだいたいの内容が頭に入った始末。このような格的な啓蒙書と、20分間くらいで読めてしまいそうなカジュアルと同じ「新書」というカテゴリーでくくってしまってよいのだろうか、というのはひとまずおいとくとして・・ 書の特色をあえて言うなら、「条約と国際法」の解釈をめぐるすれ違い、という観点から1930年代前後の日中関係の複雑さおよび戦争にいたる

    梶ピエールの備忘録。 - 優等生だったはずなのに・・
  • [書評]マンガ音楽家ストーリー: 極東ブログ

    すでに五〇歳にもなって懐古するのもなんだが、大人になったなと思う機会はいろいろあるが、それでも一様に感慨にふけることがあるとすれば、大人買いをした後の自己嫌悪みたいなものだろう。そうひどい自己嫌悪っていうこともないことも多いのだけど。ってな前振りで、先日の大人買い報告。「マンガ音楽家ストーリー」全八巻。上達もしないが、ときおりキーボードを叩きつつ、お子様向け名曲もええもんだわいと思っていくうちに、意外と名作曲家の人生とか知らないことに気が付き……それにあの怖わーい音楽室の肖像画が懐かしく……てな次第。 「 バッハ(岸田恋)」は無難に面白い。マンガがマンガっぽくてよい面もあるし。読んでいて、バッハって若いころもあったし、マンガだからそう思えたのか、けっこう過激な人だったなと思うようになった。インヴェンションとか聞いているとあるバッハのイメージを持つけど、実際にはけっこう諧謔精神もありまた柔軟

  • ファシズムは民主主義でもやってくる - 美徳の不幸 part 2

    電車の中で読了。すげー疲れました。約二年ちょっとの日近代政治史の流れだっていうのに、坂野先生、記述が濃いぃぃぃぃ。何か、集中講義で朝から夕方まで一週間講義を受けたような気持ちになりました(ちょっと大袈裟かな。でも、最近の新書では群を抜いているしっかりさ加減だ)。 昭和史の決定的瞬間 (ちくま新書) 作者: 坂野潤治出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/02/06メディア: 新書購入: 3人 クリック: 37回この商品を含むブログ (31件) を見るこの書は、「二・二六事件」や「日中戦争開始」を挟んだ昭和10年から12年頃を中心に記述しているのだが、たった二年間でもこれだけ複雑怪奇(@平沼騏一郎、時代はもうちょっと先だけど)なんだとびっくり。 僕なりに読み取ったことを書くと、我々が漠然と持っている「二・二六事件によって民主主義は死滅し、軍国主義、ファシズムはなし崩し的に戦争に突入

  • 「百姓から見た戦国大名」 - H-Yamaguchi.net

    いわゆる「網野史観」というのがある。2004年に亡くなった歴史学者網野善彦氏らが提唱した、権力者よりむしろ民衆に注目する歴史のとらえ方、とでもいえばいいだろうか。歴史学者の間ではいろいろな見方があるらしいが、現存するさまざまな資料と整合的なところがたくさんあるし、少なくとも素人である私の目から見れば、「えらい人々」の歴史よりよほど面白く説得力がある。 このは、網野史観にも似た「民衆からの視点」をもって戦国時代を見たもの、といえる。戦国時代というと、私たち素人はつい、合従連衡とか下克上とか、天下統一へ向けた武将たちのドラマとかロマンとかみたいなものばかり思い浮かべてしまう。その「陰」で民衆は泣いていたのでは、なんて想像する人も多いだろう。戦乱の世にあって、家族との平和な日々を夢見ながらも横暴で権勢欲旺盛な君主に駆り出され泣く泣く戦場へ、なんて今ふうに考えてしまいがちだが、とんでもない。そん

    「百姓から見た戦国大名」 - H-Yamaguchi.net
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