東京新聞2005.4.10. 子どもを守ろう 奈良女児殺害の公判から(下) 奈良の小一女児誘拐殺人事件は九日、奈良地裁の第二回公判で弁護人が被告人質問を行い、小林薫被告(36)の成育歴などをただした。小児性愛傾向が今回の犯行にどのように関係したかは、情状鑑定を請求し、明らかにしていく方針だ。性犯罪者の再犯防止につながるような、背景事情の多角的な解明が待たれる。 (岩岡 千景) 「かわいらしさや従順さ、汚れていない感じがいい−」。公判で明らかにされた調書によると、小林被告は女児に関心を抱く胸中を、そう供述した。さらに、女児へ性犯罪を繰り返してきた自分の性的傾向は「癖のもん」で、「治らんと思う」「もうやらない自信はない」と語ったという。 「本件は、事件の残虐性とともに、それが小児性愛にもとづくものということでも社会の強い関心を引きつけている」−。小林被告の弁護人が意見書で言うように、今回の事件