新世代リーダーは、政治経済の分野だけに求められているわけではない。科学技術の分野にも、フロンティアを切り開く人材が必要とされている。当連載では、 航空宇宙工学という切り口から、新時代のリーダー像を探っていく。MITで航空宇宙工学の博士号を取り、NASAジェット推進研究所(JPL)への転職を決めた筆者が、MITでの日々を振り返りながら、日本の理系が世界で活躍するために必要なものを語る。 6年半もアメリカに住んでも、僕の英語はひどいものだ。子音のlとrを聞き分けられない。訛りはいつまでたっても抜ける気配がない。冠詞aとtheの正確な使い分けは一生かかっても無理そうだ。 それでも僕はアメリカにおいて、アメリカ人たちと同じ土俵で競争し、勝ち抜いてきた自負がある。MITの博士号を取った。NASA JPLの仕事を取った。昨年の国際学会では最優秀学生論文賞を取った(American Control Co