ブックマーク / www.kyoto-u.ac.jp (5)

  • 予期せぬ場所から聞こえる飼い主の声にびっくり -ネコは耳で飼い主の位置を捉えている-

    これまでの研究から、ネコが目に見えない物体について心の中でその存在をとどめておくことができることはわかっていましたが、そのような認知能力が実際の生活場面でどのように活かされているのかはわかっていませんでした。 そこで、高木佐保 文学研究科・日学術振興会特別研究員(現・麻布大学・日学術振興会特別研究員)、千々岩眸 同教務補佐員(現・大阪大学特任研究員)、藤田和生 同教授(現・京都大学名誉教授)、黒島妃香 同准教授、荒堀みのり 野生動物研究センター 特任研究員(アニコム先進医療研究所株式会社研究員)、齋藤慈子 上智大学准教授らは、ヒトと住居を共にするネコを用いて、飼い主の声からその位置を心的に捉えるのかを調べました。 ネコを部屋に1匹にし、その部屋に2つのスピーカーを設置しました。1つは扉の外で(スピーカー1)、もう1つは部屋の中に設置しました(スピーカー2)。スピーカー2は部屋内の窓や扉

    予期せぬ場所から聞こえる飼い主の声にびっくり -ネコは耳で飼い主の位置を捉えている-
    SCR
    SCR 2021/11/23
  • 弱いオランウータンの雄は第一子の父親になる -父子DNA鑑定で判明した弱い雄の繁殖戦術-

    田島知之 理学研究科教務補佐員、井上英治 東邦大学講師らの研究グループは、ボルネオ島での観察とDNA分析から、ボルネオオランウータンの劣位雄が子どもを残すことを明らかにしました。オランウータンの社会構造の解明に貢献することが期待されます。 研究成果は、2018年2月1日午前0時に霊長類学の国際学術誌「Primates」にオンライン掲載されました。 研究者からのコメント 人に近い動物でありながら、オランウータンの生態にはまだ多くの謎が残されています。オランウータンは群れを作らない上、7年に1頭しか子どもを産まないことから、親子鑑定が難しい対象です。劣位雄が繁殖していることを明らかにした研究は、オランウータンの雄に見られる一時的な成長停止が、戦略として進化したとする考えを支持するものです。 概要 オランウータンの優位雄は90キロを超える巨体と「フランジ」と呼ばれる顔のヒダを特徴として持ちま

    弱いオランウータンの雄は第一子の父親になる -父子DNA鑑定で判明した弱い雄の繁殖戦術-
    SCR
    SCR 2018/02/10
    “劣位雄が繁殖していることを明らかにした本研究は、オランウータンの雄に見られる一時的な成長停止が、戦略として進化したとす”
  • 自閉症児は不協和音の使い方に敏感? -自閉症児と健常児の音への反応を比較-

    正高信男 霊長類研究所教授は、自閉症を持つ子どもが健常児と比べ不協和音そのものをあまり好まない傾向があることを発見しました。一方で、音楽的な効果を狙い意図的に不協和音が使われている楽曲を健常児よりも長い時間聴き続ける傾向があることも確認しました。自閉症を持つ子どもは不協和音やその楽曲中での使われ方に関して健常児とは異なる反応を示しており、ある種「早熟した」音楽の好みを持つことを示唆する結果です。 研究成果は、2017年9月22日午後4時にスイス・Frontier社のオープンアクセス誌「Frontiers in Psychology」に掲載されました。 研究者からのコメント 自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder;ASD)は症状が多様なことも特徴の一つであり、今回の実験に参加した自閉症児19人のみで結論付けることは難しいのが現状です。今後はASDの症状の程

    自閉症児は不協和音の使い方に敏感? -自閉症児と健常児の音への反応を比較-
    SCR
    SCR 2017/09/29
  • 重度の先天的障害のある野生チンパンジーの赤ん坊の発見

    マハレでのチンパンジー研究は今年で50年になりますが、障害のある赤ん坊が観察されたのは今回が初めてです。障害者などの弱者をケアできる人類社会の進化基盤を考察する上でも重要な観察事例だと考えています。 概要 タンザニアのマハレ山塊国立公園は、これまで50年近くの間、野生チンパンジーに関する研究が京都大学を中心とする研究チームによって継続されてきました。研究対象のチンパンジー集団(M集団)については、チンパンジーの出生年や血縁関係、個体ごとの行動の特徴など詳細な情報が蓄積されてきました。今回、研究チームは、2011年にマハレのM集団において重度の障害のある赤ん坊が生まれたことを発見し、その後赤ん坊が消失するまでの約2年間の行動を記録しました。 その結果、今回観察された障害児の特徴が、過去に報告されたダウン症様の個体の症例に酷似していることがわかりました。野生下でダウン症様の赤ん坊が発見され、し

    重度の先天的障害のある野生チンパンジーの赤ん坊の発見
    SCR
    SCR 2017/04/21
  • 人はなぜ「冷たい」を「痛い」と感じるのか ―活性酸素と痛みセンサーTRPA1がカギを握る―

    中川貴之 医学部附属病院准教授、金子周司 薬学研究科教授、三宅崇仁 同博士課程学生らの研究グループは、冷たいものに触れたときに感じる痛みに似た感覚が、痛みのセンサーであるTRPA1というタンパク質が活性酸素に対して敏感になることで引き起こされることを発見しました。 研究成果は、2016年9月15日午後6時に「Nature Communications」に掲載されました。 ヒトがどのようにして「冷たさ」を「痛み」と捉えているか、実はこれまではっきりとは分かっていませんでした。私達は、抗がん剤オキサリプラチンが、冷たいものに触れると痛みに似たしびれを起こすという変わった副作用を起こすことをヒントに研究を行い、酸素濃度の低下などによりプロリン水酸化酵素の活性が低下した状態ではTRPA1が非常に敏感となり、冷たいものに触れた時に生じるごく少量の活性酸素にも反応することで、「冷たさ」を「痛み」へと

    人はなぜ「冷たい」を「痛い」と感じるのか ―活性酸素と痛みセンサーTRPA1がカギを握る―
    SCR
    SCR 2016/09/16
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