格付け市場はS&P、ムーディーズ、フィッチの3社で9割以上のシェアを持つとされる〔PHOTO〕gettyimages ついにEU(欧州連合)の格付けまで「引き下げ見通し」に指定された。日本国債の格下げ懸念も高まっている。「そういうことには疎い」(菅直人前首相)などと言っている場合ではなくなってきた。 暴落を演出 「サブプライムローン関連の金融商品に高い格付けを出していたことで、格付け会社の信頼は地に堕ちたが、ギリシャに始まる世界各国の国債危機に乗じて、いつの間にか復活してきた。 格付け会社が世界最強国であるアメリカの国債を格下げすると、これがトリガー(引き金)となって世界同時株安へと発展、欧州国債の格下げラッシュでもその影響力の強さを誇示している」(財務省OB) 各国の政府首脳たちが、いま、格付け会社の一挙手一投足に翻弄されている。 全国紙経済部記者もこう指摘する。 「12月5日の〝欧州総