「昭和維新」を唱道し、軍内部にも影響力を持った思想家・北一輝と大川周明。二人は若き日、社会主義思想の影響を受け、社会の変革を目指していた。その変革構想はまたアジアとの連帯を視野に入れていた。北は辛亥革命で革命派の宋教仁を支援し、大川はインド独立をめざすラース・ビハーリー・ボースらと交流する。大川はやがてイスラム学の研究を進め、大アジア主義を掲げて後進を育成していった。 しかし、北一輝は2・26事件で逮捕され、処刑される。そして大川は敗戦後、A級戦犯容疑者として訴追されるが、精神障害で免訴となった。 二人はアジアの中で、どのような変革の構想を持っていたのか。そして、昭和初期の軍のクーデター、5・15事件、2・26事件にどのように関わっていたのか。ジャーナリストの田原総一朗さんが二人の故郷、新潟県・佐渡や山形県・庄内地方などを訪ね、その思想の軌跡を追う。 【出演】田原総一朗(ジャーナリスト