コシヒカリの産地として知られる新潟県南魚沼市は、約60カ国からの留学生たちが学ぶ国際大学の所在地だ。行政は彼らを「住民」扱いしていない。豪雪地帯の「陸の孤島」で閉塞的な生活を送る多様な人材を、今こそ地域活性化に生かすべきではないのか。南魚沼を拠点に活動するライターが問題提起する。 57カ国の出身者が集まる「国際町」 私たちの日常生活は「国際」という言葉であふれている。新聞記事で目にするのはもちろんのこと、空港、学校、駅、病院、会社など、当たり前のように名称の一部に使われている。 しかし、「国際」という言葉を含む地名はまれで、日本に3つ(あとの2つは神奈川県の「湘南国際村」、長野県の「神山国際村」)しかない。 1982年、コシヒカリで有名な新潟県南魚沼郡大和町(2000年代の市町村合併で現在は南魚沼市)の16ヘクタールという広大な元農地に、日本で初めて、そして唯一の「国際町」地区が生まれた。