『ジョゼフ・フーシェ - ある政治的人間の肖像』を読んだので書評を。 ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像 (岩波文庫 赤 437-4) 作者: シュテファン・ツワイク,高橋禎二,秋山英夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1979/03/16メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 41回この商品を含むブログ (28件) を見る「理想に準ずるのではなく、優勢な方にひたすらおもねる」、「公然で我が身を投げ打つことは決してせず、影に隠れて常に逃げ道を用意しておく」、「正義や誠実から最もかけ離れ、裏切りや愚弄が行動の常である」、本書の主人公のジョゼフ・フーシェはこのような性質持ち主であり、偉人・英雄とはおよそ言いがたい。大事を成す人間は、高い理念をもち、正々堂々とし、誠実なものという、世間一般の考えに従えば、とても偉業を成し遂げそうな人間ではないが、英雄ナポレオンの帝政を支え(つつも影で