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  • トヨタの野心的な未来都市は「幸せの量産」を体現できるか

    Why is Toyota trying to build an ambitious future city? 2020年にラスベガスで開催されたCESで、トヨタ自動車の豊田章男社長自ら発表した実証都市「ウーブン・シティ」構想。世界的自動車メーカーがなぜ、街づくりに乗り出すのか? ヴェールに包まれた同プロジェクトの現状を整理する。 by Yumi Kawabata2021.11.16 13 4 8 トヨタがスマートシティを作る。そんなニュースが駆け巡ったのは、2020年の松の内も明けないうちの出来事だった。毎年1月にラスベガスで開催される世界最大級の家電見市「CES(Consumer Electronics Show)」の会場で、トヨタ自動車を率いる豊田章男社長が、富士山と未来都市の青写真を背にして“Woven City(ウーブン・シティ)”と発した瞬間は、今でも鮮明に脳裏に焼きついてい

    トヨタの野心的な未来都市は「幸せの量産」を体現できるか
  • ブタの腎臓のヒトへの移植に成功 遺伝子操作で拒絶反応抑える

    遺伝子操作したブタの腎臓を、脳死状態の患者に移植する手術が成功した。実用化にはまだ課題が残るが、臓器移植を待つ人々を将来的に救える可能性がある。 by Charlotte Jee2021.10.21 228 5 7 ブタの腎臓をヒトの体に移植する手術が成功し、正常に機能することが確認された。AP通信が10月20日付で伝えた。移植に使われたブタは拒絶反応が出にくいように遺伝子操作されたもので、動物の臓器をヒトに移植する手法を確立し、移植待ちの期間を短縮する研究は、大きな節目を迎えた可能性がある。 ニューヨーク大学(NYU)ランゴーン・ヘルスの外科チームは、脳死状態の患者の体外で血管をブタの腎臓につなぎ、2日間にわたって経過を観察した。この女性患者の家族は、生命維持装置を取り外す前に実験に協力することに同意したとAP通信は伝えている。腎臓は正常に機能し、老廃物を濾過して尿をつくった。経過観察は

    ブタの腎臓のヒトへの移植に成功 遺伝子操作で拒絶反応抑える
  • 脳インプラントでうつ病を大幅改善、個別化医療に期待

    うつ病が発症する兆候を検出すると脳に電気刺激を与える装置を頭蓋骨内に埋め込むことで、うつ病の症状を大幅に改善できることを示す研究が発表された。従来の治療で効果のなかった患者に対する個別化医療として期待される。 by Charlotte Jee2021.10.05 122 3 13 カリフォルニア州に住む36歳の女性、サラは、5年前から慢性的なうつ病を患っていた。1時間の間に何度も自殺したくなり、何をべるかといった基的な決断をすることもできなかった。電気ショック療法(電気けいれん療法とも言う)などさまざまな療法を試したが、どれも効果はなかった。 そして2020年6月、サラはうつ病を引き起こしていた脳部位に刺激を送るインプラントを頭蓋骨の中に挿入した。その驚異的な成果が10月4日付のネイチャー・メディシン(Nature Medicine)誌で発表され、治療や投薬の効果がない重度の精神疾患を

    脳インプラントでうつ病を大幅改善、個別化医療に期待
  • フェイスブック「レイバン」グラス、人類総監視時代の幕開け

    フェイスブックは、画像や動画を撮影したり、音楽を聴いたりできる新スマートグラス「レイバン・ストーリーズ」を発表した。見た目がレイバンのサングラスと変わらないため、隠し撮りによるプライバシー侵害をはじめ、社会に重大な影響を及ぼす恐れがある。 by S.A. Applin2021.09.17 24 4 7 フェイスブックは9月9日、299ドルの新スマートグラス「レイバン・ストーリーズ(Ray-Ban Stories)」を発表した。このスマートグラスを着用すると、画像や短い動画を記録して共有したり、音楽を聴いたり、電話に出たりすることができる。レイバン・ストーリーズの購入者らは、近いうちに公共の場やプライベートな場に現れては、他人を撮影し、録画し、フェイスブックの新アプリ「ビュー(View)」を介して、画像や動画などのコンテンツを並べてアップロードするようになるだろう。 このようなスマートグラス

    フェイスブック「レイバン」グラス、人類総監視時代の幕開け
  • 写真の女性をワンクリックでポルノ女優に、「一線越えた」AIアプリ

    顔写真をブラウザーからアップロードするだけでポルノビデオを生成するWebアプリが登場した。ディープフェイク技術を使ったこのサイトはすでに利用できなくなっているが、研究者やフェイクポルノの元被害者からは「一線を越えた」との声が上がっている。 by Karen Hao2021.09.16 13 3 4 白い背景に置かれた巨大な青いボタンが、顔写真をアップロードするよう誘う。シンプルさが目を引くWebサイトだ。ボタンの下には、サービスを試すために人工知能AI)によって生成された4つの顔が提供されている。ボタンの上にあるタグラインは、堂々とその目的を宣言している。「ディープフェイク・テクノロジーを使ってアダルトビデオの出演者と顔を交換することで、誰でもポルノ・スターになれます」。必要なのは顔写真とボタンのクリックだけだ。 MITテクノロジーレビューはサイトへのアクセスを防ぐため、このサービスの名

    写真の女性をワンクリックでポルノ女優に、「一線越えた」AIアプリ
  • 義足エンジニア・遠藤 謙が「人類最速」の先に見据えるもの

    MITテクノロジーレビュー主催の世界的なアワード「Innovators Under 35」を2012年に受賞した義足エンジニアの遠藤 謙さんは、イノベーターに最も必要な資質を「しつこさ(Grit)」だと語った。 by Yasuhiro Hatabe2021.08.20 70 2 4 MITテクノロジーレビューが主催する世界的なアワード「Innovators Under 35(イノベーターズ・アンダー35)」の日版「Innovators Under 35 Japan」が、今年も開催される。8月31日まで、公式サイトで候補者の推薦および応募を受付中だ。 1999年に始まったグローバル版のInnovators Under 35は、過去20年以上にわたって優れたイノベーターたちを選出しており、その中には複数の日人も含まれている。2012年にInnovators Under 35の前身である「T

    義足エンジニア・遠藤 謙が「人類最速」の先に見据えるもの
  • 書評:フェイスブック内部の「醜い真実」が物語ること

    ニューヨーク・タイムズ紙のベテラン記者2人による新刊『An Ugly Truth(醜い真実)』は、2回の米国大統領選挙の間にフェイスブックに起きたことを巧みなストーリー・テリングで描いた意欲作だ。 by Karen Hao2021.08.20 161 56 8 あるフェイスブックのエンジニアは、デートの相手から返事をもらえない理由が知りたくてたまらなかった。もしかしたら、病気や休暇など、単純な理由だったのかもしれない。 だからある日の夜10時、このエンジニアは、カリフォルニア州メンローパークにある社で、社内システムを使ってフェイスブックが保有する彼女の個人データを調べ始めた。政治観や生活様式、興味だけでなく、現在位置までも、だ。 後にこのエンジニアは、社内データの閲覧権を不適切に悪用した他の社員51人とともに、自らの行動によって会社を解雇されることになる。社内データの閲覧権は職務権限や勤

    書評:フェイスブック内部の「醜い真実」が物語ること
    Seiji-Amasawa
    Seiji-Amasawa 2021/08/30
    “その行間から明らかに読み取れるのは、フェイスブックに自浄力はない、ということだ。”
  • AI界は変われるか? グーグルを解雇された 研究者らの戦い

    Inside the fight to reclaim AI from Big Tech's control AI界は変われるか? グーグル解雇された 研究者らの戦い AIに大きな収益性があることに気づいた巨大テック企業は、豊富な資金力を背景にAI研究を支配し、社会的問題を解決するどころか悪化させてきた。しかし、こうした偏向を摘発し、人間に役立つAIを構築しようとする研究者たちにより、流れは少しずつ変わってきている。 by Karen Hao2021.08.10 28 1 4 ティムニット・ゲブルは、1編の科学論文で自分がこれほどまでに苦しむことになるとは思ってもいなかった。 2020年、ゲブルはグーグル人工知能AI)倫理チームの共同リーダーとして、AIの今後を危惧し、ワシントン大学のエミリー・ベンダー言語学教授と共同で、その方向性を研究する決心をした。ゲブルは、最近のAI研究におけ

    AI界は変われるか? グーグルを解雇された 研究者らの戦い
  • NSOのスパイウェア、ジャーナリストらを監視=有力紙が一斉報道

    イスラエルのハッキング企業NSOが作ったスパイウェアツールによって、ジャーナリストや活動家が監視されていることが報道で明らかになった。ただ、これはMITテクノロジーレビューが以前から指摘してきたとおりだ。 by Abby Ohlheiser2021.07.28 7 2 1 世界の報道機関からなる共同調査チームが、謎に包まれた10億ドル規模のイスラエルのハッキング企業「NSOグループ」の主力商品であるスパイウェア「ペガサス(Pegasus)」の使用に関する調査結果を発表した。 ガーディアン、ワシントン・ポストをはじめとする15の報道機関による今回の報道は、ペガサスの標的になったとみられる数万件の電話番号のリーク情報に基づくものだ。リストに挙がっている番号に紐づく端末のすべてが、このスパイウェアに感染しているとは限らないものの、世界各地のジャーナリストや人権活動家が標的となっており、一部のケー

    NSOのスパイウェア、ジャーナリストらを監視=有力紙が一斉報道
    Seiji-Amasawa
    Seiji-Amasawa 2021/07/29
    “ある研究者が、アップルの高度なセキュリティ対策機構によって、NSOがアイフォーンのセキュリティを突破するのを許しながら、調査目的のアクセスはブロックしてしまう仕組みを解説した。”
  • 日本の理研チーム、有袋類の遺伝子改変に成功 世界初

    クリスパー(CRISPR)は幅広い生物の遺伝子改変に使われてきたが、有袋類への適用は困難だった。7月22日、理化学研究所の研究チームが世界で初めてこの困難を打ち破った。 by Casey Crownhart2021.07.28 58 2 4 マウスには有効、トカゲには有効、イカには有効、有袋類には——有効。 クリスパー(CRISPR)は、トマトから人間に至るまでほぼすべての生物の遺伝子改変に使われてきた。しかし、有袋類は、生物学的に独特な生殖方法と研究室での使用が稀であることが理由で、これまで急速に進むCRISPR導入の波に乗ることはなかった。 日の国立研究機関である理化学研究所で、オポッサムの南米種に対してCRISPRを使った遺伝子編集が実施された。日時間7月22日、この新しい研究結果はカレントバイオロジー誌で発表された。有袋類のゲノムに手を加えることができるようになれば、生物学者は

    日本の理研チーム、有袋類の遺伝子改変に成功 世界初
  • 世界で一番美しいのは誰? AIが絶対的基準になる日

    Meet the AI algorithms that judge how beautiful you are 世界で一番美しいのは誰? AIが絶対的基準になる日 人工知能AI技術を利用して顔の美しさを評価し、改善をアドバイスするサービスがここ数年で登場している。その結果は知らず知らずのうちに、人々の行動や目にする投稿、考え方に影響を与えている。 by Tate Ryan-Mosley2021.07.19 21 2 14 私が初めてコーヴス・スタジオ(Qoves Studio)を知ったのは、人気を博している同社のユーチューブ・チャンネルだった。このチャンネルでは、「髪型で美人に見えるのか?」や「何がティモシー・シャラメを魅力的にしているのか?」、「顎の位置が社会的な知覚に与える影響」など、何百万人もの視聴者に向けて洗練された動画を提供している。 コーヴスはもともとモデル事務所向けに画像

    世界で一番美しいのは誰? AIが絶対的基準になる日
  • 世界最大級の露ランサムウェア集団、ネット上から姿を消す

    米国とロシアの高官がランサムウェアの危機について協議する予定だった前日、ランサムウェア攻撃を仕掛けるロシアの最大級のグループが活動を停止した。 by Patrick Howell O'Neill2021.07.22 24 6 3 7月13日の朝、ランサムウェア攻撃によって世界でもっとも利益を上げていたグループの1つが、インターネット上から忽然と姿を消した。消失劇の背景は不明だが、ホワイトハウスとロシアの高官が世界のランサムウェア危機について話し合う予定の前日に事態は起きた。 このランサムウェア・グループは「レヴィル(REvil)」と呼ばれ、裏社会におけるサイバー犯罪の急成長に乗じて長年活動を続けていた。近年のランサムウェア攻撃の実に42%がこのグループの犯行とされているが、特に有名なのは次の2件のハッキング事件だ。1つ目は、7月上旬のソフトウェア企業カセヤ(Kaseya)への攻撃で、少なく

    世界最大級の露ランサムウェア集団、ネット上から姿を消す
    Seiji-Amasawa
    Seiji-Amasawa 2021/07/25
    “消失劇の背景は不明だが、ホワイトハウスとロシアの高官が世界のランサムウェア危機について話し合う予定の前日に事態は起きた。”
  • 懲りないティックトック、検閲とバグの果てしない連鎖

    ティックトックでは、社会から疎外されたグループのユーザーに過大な影響を与えるような問題がしばしば発生する。そうした問題が口コミで拡散するそのたびに同社は謝罪して問題を修正するが、問題を未然に解決する取り組みが必要だ。 by Abby Ohlheiser2021.07.15 4 1 0 ジギ・タイラーは、「ティックトック・クリエイター・マーケットプレイス(TikTok Creator Marketplace:TCM)」と呼ばれる、広告主がトップクリエイターとつながることができるプラットフォームに参加している。タイラーは先日、TCMに掲載されている自分のバイオグラフィが自動的にモデレートされていることについて、ひどく不穏な気持ちになった。 タイラーがバイオグラフィにいくつかのフレーズを入力すると、「Black lives matter(ブラック・ライブズ・マター)」「supporting bl

    懲りないティックトック、検閲とバグの果てしない連鎖
  • NYで始まった「ワクチン・パスポート」 残された課題は?

    ニューヨーク州では、新型コロナワクチンの接種を証明する「エクセルシオール・パス」の導入が進みつつある。しかし、技術的な不具合やプライバシーに関する懸念などが指摘され、そもそもこのシステムは誰のためのものなのかという疑念が浮かび上がっている。 by Rebecca Chowdhury2021.07.09 16 2 3 ニューヨーク市のマディソン・スクエア・ガーデンで6月20日に開かれたフー・ファイターズのコンサートには、およそ2万人のファンが詰めかけた。会場は、パンデミック以来初めて満員の観客を収容したが、完全に通常営業というわけではなかった。チケットを持つ来場者が入場するには、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンを接種済みであることを証明する必要があったのだ。そのためには、紙のカードかニューヨーク州のエクセルシオール・​パス(Excelsior Pass)のいずれかが求め

    NYで始まった「ワクチン・パスポート」 残された課題は?
  • 人工臓器作製を目指すNASA、3Dプリントの肝臓組織をISSで実験へ

    人間の臓器組織作製を競うコンペ「血管組織チャレンジ」の優勝チームをNASAが発表した。人工臓器は、移植臓器を必要とする人々のためのためだけでなく、将来、深宇宙ミッションに挑む宇宙飛行士にも役立つ可能性がある。 by Tatyana Woodall2021.06.21 29 2 4 米国では、1日に少なくとも17人が、臓器移植を待ちながら亡くなっている。しかし、ドナー(臓器提供者)が現れるのを待つ代わりに、いつの日か、自分自身の臓器を作れるようになるとしたらどうだろうか。 米国航空宇宙局(NASA)は、「血管組織チャレンジ(Vascular Tissue Challenge)」の開催を表明してから6年が経過した2021年6月10日、勝者2チームを発表した。血管組織チャレンジは、いつの日か人工臓器につながる可能性のある研究を加速することを目的としたコンペだ。このチャレンジでは、各チームは、30

    人工臓器作製を目指すNASA、3Dプリントの肝臓組織をISSで実験へ
  • 信用スコアに潜む「バイアス」以外の問題 大規模研究で判明した根深さ

    ローン貸し出し承認の可否判断に使われる予測ツールで、マイノリティに対して正確さが落ちるのは、バイアスだけが原因ではない。正確な信用履歴データが足りないからだ。ただ、その問題の解決は簡単ではない。 by Will Douglas Heaven2021.06.24 21 2 15 バイアス(偏り)のあるデータやアルゴリズムによって、低所得者層やマイノリティ集団が自動的に不利になるよう意思決定が歪められることは、すでに知られている。例えば、ローンをきちんと返済するかどうかを予測する銀行のソフトウェアは、通常は裕福な白人の申込者に有利に働く。多くの研究者とスタートアップ企業がこうしたアルゴリズムをもっと公平にすることで、問題を解決しようと取り組んでいる。 だが、スタンフォード大学のローラ・ブラットナー助教授とシカゴ大学のスコット・ネルソン助教授の2人の経済学者が実施した過去最大規模のローン貸付けデ

    信用スコアに潜む「バイアス」以外の問題 大規模研究で判明した根深さ
    Seiji-Amasawa
    Seiji-Amasawa 2021/06/30
    “バイアスに加えて、マイノリティや低所得者集団では信用履歴データが少ないことも原因だという。”
  • AIのための「フェイク人間」が大量生産される時代がやってきた

    機械学習システムの訓練用にデータを大量に入手することは、プライバシー保護の観点から困難になっているうえ、現実のデータには偏りが存在する可能性がある。そこで、AIシステム訓練用のフェイクデータセットを現実のデータに基づいて作成し、AIシステムベンダーに提供する企業が現れている。 by Karen Hao2021.06.15 44 5 11 上唇にはかすかに無精ひげが生え、額にはしわが入り、皮膚にはシミがあるのが見て取れる。だが、この男性は実在する人間ではない。データジェン(Datagen)が実在の人物を模倣するために作ったフェイク・ヒューマンなのだ。同社は、このように人間をシミュレーションしたフェイク・ヒューマンを数十万体も作成・販売している。 これらのフェイク・ヒューマンは、ゲーム用のアバターでもなければ、映画のためのアニメキャラクターでもない。深層学習アルゴリズム開発者からの増大するニー

    AIのための「フェイク人間」が大量生産される時代がやってきた
  • パンデミックで一気に普及した米国の遠隔医療は定着するのか?

    医師も患者も長らく遠隔医療には慎重だったが、パンデミックのロックダウンによって他に選択肢がなくなると、多くの医療提供者が携帯電話やコンピューターを通して患者を診るようになった。遠隔医療は定着するのだろうか? by Andrew Zaleski2021.06.13 15 1 4 1世紀前に世界人口の3分の1を苦しめたスペイン風邪以来の、最も広範囲にわたるパンデミックに対する心の準備ができていた人などいただろうか? もちろん、ジェフリー・ハリス医師も、準備ができているはずなどなかった。 他の多くの人々と同様、2020年の冬、ハリス医師は中国で発見された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が世界中へ拡散していくのを心配しながら見守っていた。米国の各都市のロックダウン(封鎖)につながった2020年春の感染急増を前にした3月初め、マサチューセッツ工科大学(MIT)から長期有給休暇を取得していた

    パンデミックで一気に普及した米国の遠隔医療は定着するのか?
  • ティックトック、一部ユーザーの顔を無断で「盛って」配信

    ティックトックの一部ユーザーの間で、設定していない美容フィルターが一時適用されていたことがわかった。フィルターはオフにできず、「盛った」イメージが強制された格好だ。 by Abby Ohlheiser2021.06.16 7 2 2 「私の顔じゃない」。5月の終わりごろ、動画を作るためにティックトック(TikTok)を開いたトリ・ドーンは思わず声を上げた。画面に映し出されたアゴは物とは違っていて、もっと細くて女性らしく見えた。カメラの前で手を振りながら、顔の大部分をレンズから遮ると、アゴは元に戻ったように見えた。肌も少し、普段よりすべすべのような気がした。 調べてみると、動画にはティックトックの美容フィルターがかけられているようだった。32万人のフォロワーがいるドーンは、いつもフィルターをオフにして動画を配信している。アプリの設定を確認してみたが、フィルター効果を無効にする方法はなさそう

    ティックトック、一部ユーザーの顔を無断で「盛って」配信
  • デジタル化で加速する「英語化」の流れ、少数民族に言語の壁

    英語が主流言語の米国において、他の言語、特にアジア系の少数民族が使う言語の格差に苦しんでいる人は数百万人にも及ぶ。テクノロジーは格差を取り除くためには機能しておらず、むしろ格差を生み出している。 by Tate Ryan-Mosley2021.06.18 86 6 3 ジェニファー・ジョングは、昨年の夏、カリフォルニア州在住のモン族の人々が米国大統領選挙の有権者登録をするのを手伝っていた。モン族は、中国、ベトナム、ラオスとタイに居住する山岳地帯の民族だが、自国を持たない人々だ。ジョングは、カリフォルニア州中部のフレズノにあるモン族を政治的疎外から守る草の根組織HIP(Hmong Innovating Politics)の世話人をボランティアでしていた。米国には約30万人のモン族が住んでおり、彼女は何時間もかけてテレフォン・バンキングをしたり、ラジオやテレビに流すモン族の広告に取り組んだりし

    デジタル化で加速する「英語化」の流れ、少数民族に言語の壁