大量の外国産アサリが熊本県産に偽装されている疑いが判明した。過去にも熊本県産と偽装する事例が繰り返し発覚していたが、国産表示の仕組みや、さまざまな業者が関わる流通ルートが、悪質な手口が続く温床になっている。農林水産省はようやく実態解明に乗り出したが、全容の把握は容易ではない。 【写真】外国産のアサリを養殖していた漁場 熊本県産のアサリを巡っては、食品表示法などに違反する事例が相次いでいる。その理由の一つに、流通ルートがある。アサリが養殖業者から消費者に届くまでには、漁協や輸入業者、卸売業者、仲卸業者、小売店とさまざまな事業者が介在する。生産者から直接買い付ける業者もある。こうした流通ルートの複雑さが、全容を見えにくくさせている。 アサリを取り扱う福岡市内の卸売業者によると、卸売市場に入ってくる段階では外国産の表示より「熊本産」として流通しているアサリが多く、生産者を信じるしかないという。「